薄緑を背景に、ラピッドトリガーのファームウェア修正と販売再開を案内する画像

ラピッドトリガーのファームウェア修正と販売再開について

ラピッドトリガー用ファームウェアを修正し、販売を再開しました。 今回の修正では、従来の線形方式からLUT方式による補正へ変更し、自動補正機能を追加しています。

自動補正では、従来の温度管理に加え、プレイ環境による小さな変化を検知して随時補正を行います。 環境の違いや変化によって操作感が変わることを抑えるための改善です。

小さな動きを、どう入力として読み取るか

ラピッドトリガーボタンは、押し込み量を磁気で検出し、押す動きや戻す動きに応じて入力を切り替えます。 その検出値を処理しているのが、専用基板上で動作するファームウェアです。

磁気を使った位置検出では、動いた距離と検出値の変化が、必ずしも一定の割合になるとは限りません。 この関係をどう換算するかが、動きを読み取るうえでのポイントになります。[1]

LUTは、値の対応表を使う方式

検出した値に対して、どの値を対応させるか。 その組み合わせを表にして持たせ、必要な値を参照するのがLUT(Look-Up Table、ルックアップテーブル)です。

補正に使う場合は、「この入力値には、この補正後の値を対応させる」という関係を表します。 ひとつの直線に収まらない関係も、値ごとの対応として扱えるのが特長です。[2]

入力の値からLUTの対応表を参照し、対応する値を取り出す流れ。表の一行を赤く強調した概念図。
図1:LUTの基本的な考え方。入力と出力の対応を表にして参照します。

従来の線形方式と、何が変わるのか

線形方式では、入力値と出力値の関係を直線で近似します。 入力値が一定量変わると、換算される値も一定量変わる、という考え方です。

実際の特性も直線に近ければ、この換算でよく合います。 しかし、関係が曲線を描く場合には、直線との間にずれが生じます。 始めと終わりが合っていても、その途中まで同じように合うとは限りません。

上段は曲線で示した特性の例と、線形換算の直線とのずれ。下段は同じ特性に沿ってLUTの対応値を複数置く考え方。実測値を示さない模式図。
図2:直線で近似する線形方式と、値ごとの対応を参照するLUT方式の違い。曲線と点は説明用で、製品の実測データや実際のテーブル点数を示すものではありません。

LUT方式なら、入力値ごとに対応する値を持たせることで、こうした直線では表しきれない特性を換算へ反映できます。 今回の変更では、この考え方を補正に取り入れ、スイッチの動作をより正確に制御するようにしました。

温度管理に加え、環境の小さな変化も自動補正

値の対応を整えることに加えて、プレイ中に環境が変化したときの対応も見直しました。 従来の温度管理に、自動補正機能を追加しています。

プレイ環境による小さな変化を検知し、その変化に応じて随時補正を行います。 温度だけを管理する従来の仕組みから、動作環境の違いや変化にも対応する仕組みへ広げました。

従来の温度管理に、プレイ環境の小さな変化を検知して自動補正する機能を追加。環境による操作感の変化を抑える改良を示す概念図。
図3:温度管理を継続しながら、プレイ環境の小さな変化への自動補正を追加しました。

LUTは「値をどう換算するか」、自動補正は「環境が変わったときにどう対応するか」。 この2つを組み合わせ、環境の変化によって入力の反応が変わることを抑えられるようにしました。

使い慣れた入力の感覚を保ちやすく

押し込んだときに入力が入り、戻したときに解除される。 その感覚を、環境が変わっても保ちやすくすることを目指した改良です。 LUT方式による補正と自動補正機能によって、ラピッドトリガーの細かな動きを支えるファームウェアを改善しました。

今回の内容は、ラピッドトリガーボタンと専用基板セットを使う構成、およびJ2Aのラピッドトリガー仕様に関するものです。

ブログに戻る